アップル - 話題の新デバイス「iPad」の位置付け | Technolog.jp - ICTウェブマガジン

アップル – 話題の新デバイス「iPad」の位置付け

アップルの新デバイス「iPad」が各種メディアで取り上げられています。しかし、昨今の電子機器は複雑化し、消費者は流行を追いかけることに精一杯で、それぞれの位置付けが整理できていない気がします。まず「」を知るためにはアップルのCEOであるスティーブ・ジョブスの話し(上動画)に耳を傾ける必要があります。

演説の冒頭でスティーブ・ジョブスは、アップルは世界一のモバイルデバイス企業であると明言しています。それは売上等の数字からも証明されていますが、そのアップルがiPadを世に送り出すに至った経緯として、スマートフォン()とPC(Mac)の間に存在する第三のデバイスへの構想を語っています。

競争相手はネットブック

ネットブックがその位置付けにあると誰もが考えていましたが、アップルはそれを否定しています。ネットブックは確かに持ち運びに優れているが、値段が安いだけのロースペックデバイスであると指摘しています。それではiPadは本当にネットブックに代わるデバイスなのか、演説ではデモンストレーションが続きます。

iPadの操作はiPhoneとほとんど変わりません。タッチパネルで、画面の特定箇所にフォーカスしたり、オートローテーションも可能です。単純な言い方をすればiPhoneの画面が大きくなったものとなりますが、そこにはアップルの大きな狙いがありました。

iPhoneのデメリットは何か?画面が小さすぎて文字入力に戸惑ったことはないでしょうか。特にアルファベットキーになると指先で慎重にタップしなければ入力をミスしてしまいます。ウェブブラウジングも結局、文字が見えないので毎回フォーカスを繰り返す。ここまで言えば、画面が9.7インチになることの意味がわかりますよね。キーボードはPCサイズになり、ウェブサイトもフォーカスすることなく閲覧出来ます。

一方でiPhoneユーザが気になるのがバッテリーの継続時間です。スティーブ・ジョブスは最大10時間(サンフランシスコから東京までのフライト中に動画鑑賞が可能)としています。内蔵ストレージが最大64GBなので、お気に入りの映画をずっと見続けることも可能ですね。ゲームもiPhoneに比べ、はるかに臨場感があるでしょう。

洗練されたデザイン(機能性や軽量化)に加え、アップル独自のタッチパネル機能があるiPadはここまで考えるとネットブックに代わるデバイスになるような気がしてきます。

一部のメディアではKindleを比較対象として取り上げていますが、コンセプトが全く違います。単に読書をしたいのであれば、Kindleの方が動作が軽快でしょうし、読書のためのデザインが施されています。iPadは似て非なるものと筆者は捉えています。

iPhoneとの競合

もうひとつ筆者が懸念するのは、iPhoneとの棲み分けです。仮にiPhoneとiPadの両方を所有し、持ち歩くとします。アプリケーションは共通で使い勝手がiPadの方が良いのであれば、iPhoneは電話としてしか使用しなくなります。そうなるとランニングコストの高いスマートフォンである必要がなくなるため、もっと安価な携帯電話へ乗り換えてしまう可能性があります。

グーグルとの市場争奪戦

先日、米国ではグーグルが「Nexus One」を販売し、iPhoneと比較されました。そして、年末にかけて、今度はChrome OSを搭載したネットブックが販売される予定になっています。そうなるとこちらはiPadと比較されるでしょう。グーグルとアップル、本来のビジネスドメインが異なる2つの企業がモバイルデバイス市場で覇権争いをすることになりそうです。