PHSの復権 | Technolog.jp - ICTウェブマガジン

PHSの復権

1990年代の携帯電話市場では、今以上にPHSの占める割合が高かったことを覚えています。当時から通信速度(音声の鮮明度)に関しては携帯電話の方が優れていたのですが、料金面でPHSが圧倒的に安いということがその理由でした。しかし、その後、携帯電話も価格破壊が進み、PHSとの料金的な差異がほとんどなくなってくると消費者は一斉に携帯電話へ切り替えて行きました。

最近になり、ウィルコムが独自の価格体系を発表し、携帯電話との差別化を計り、デザイン性にも優れていることから再びPHSを見直す人が増えてきている印象を受けます。さらにここにきてモバイル通信においてもウィルコムは「ウィルコム・コア」という魅力的なサービスを発表しました。サービス開始自体は2009年春になるそうですが、通信速度は上下共に100Mbps以上、新幹線などによる高速移動時にも使用可能とのことで、モバイルでこの通信速度が実現されるのであれば、無駄な工事や配線を必要とし、携帯性のない光通信(以下:FTTH)やADSLなどは不要になってしまいます。

ただし、予想の範囲ですが、このモバイル通信にはFTTHやADSLに比べて見劣りするサービスもあるでしょう。その際たる例が料金体系です。現在もモバイル通信は存在しますが、家庭用インターネットに比べ、倍以上の料金がかかります。この料金関係は新サービスでも同じことが言えるのではないでしょうか。また、開始間もない通信環境というのは不安定であることが多く、本当に100Mbps以上の速度が確保されるのか疑問視される点もあります。

とはいえ、昨今の技術進歩は驚くほど速く、「ウィルコム・コア」も数年後には通信速度を確保した上で料金への対応もしてくるでしょう。そうなると他のモバイル通信はもちろん、FTTHやADSLのシェアさえも奪取し、データ通信市場の構造を大きく変えてしまう可能性があります。このことはすでに各社想定していると思われるので、さらなるサービスの向上と料金の引き下げを行ってくるのではないでしょうか。今後の通信サービスに期待が持たれます。