シンクライアント導入の市場動向 | Technolog.jp - ICTウェブマガジン

シンクライアント導入の市場動向

パソコンなどの電子端末で作成された資料(データ)はすべてハードディスクの中に保管されます。一度保管されたデータはUSBメモリや異なる電子端末に移すことが可能であり、持ち運びにも便利なのですが、セキュリティの観点から見るとあまり好ましくありません。

企業では、内部統制やコンプライアンスを目的にこれを未然に防ぐため、パソコンにハードディスクを持たないシンクライアントの導入が松下やNECなど大手企業を中心に進んでいます。非常に画期的な仕組みであり、検討されている企業担当者の方もいらっしゃると思いますが、なかなか導入には踏み切れていないのではないでしょうか。

この度、IT市場調査会社IDC Japanによる「国内シンクライアント市場最新動向分析」が発表されました。

同調査では、2007年~2012年の実績および予測を以下のように取り上げています。

■ 出荷台数
2008年の予測「20万台」に対し、2012年には「672万台」に達する見込み。これはビジネスPC市場の7%に相当します。

■ 市場規模
出荷台数と比例して2008年には「490億円」が、2012年には「1770億円」に達する見込み。

■ 企業規模別導入比率
3000人以上 21%
500人以上  32%
500人未満  47%
上記の数字を見ると大企業だけではなく、中堅中小企業規模でも導入は進んでおり、今後、リース需要が高まる可能性も考えられます。

■ 企業規模別IT管理者導入検討状況(1800名対象)
・ 企業規模が大きいほど関心度が高い
・ 40%以上が検討(導入済み 2%)
・ 関心は高いが導入に踏み込めていない(試験導入多・導入小)

■ 導入までの課題
上記の「関心は高いが導入に踏み込めていない」理由としてアンケートを行ったところ、経営者に対する費用対効果の説明やエンドユーザに対する理解の獲得に検討期間として4~5年を費やし、PC買い替えなどで済ませてしまうケースが背景としてあるようです。シンクライアントは、セキュリティが高い分、操作上の利便性が落ちるため、現場からの反発が多く、また、ハードウェア自体は簡単に試算できてもシステム構築を含めた総合的な見積が見え辛いという難点があります。

■ デスクトップ仮想化
シンクライアントを導入する上でひとつの手助けとなるのが「デスクトップの仮想化」です。デスクトップの仮想化は、自分のPCからネットワークを経由してデータセンターにある異なるリソース(ハードディスクやソフトウェア)を利用する技術で、これを導入することで、PCの買い替えおよびサーバ側で一括運用を可能にすることからシンクライアントの導入がスムースになるというメリットがあります。

内部統制を実現するためにも経営者はIT管理者と密にコミュニケーションを取り、全面的に支援しなければ導入は難しいものとなります。また、IT管理者は説明責任を果たす上で、同業他社の事例や段階的導入による成功体験を示すことが有効になります。

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