システムによる経営分析のための専門用語 | Technolog.jp - ICTウェブマガジン

システムによる経営分析のための専門用語

このブログでは、ビジネスインテリジェンス(以下:BI)という言葉を何度か取り上げてきましたが、平たく言うと「分析」を指します。販売、購買、在庫、生産、そして経営など、様々なところに分析は必要とされ、(Plan – Do – Check – Action)を繰り返し、企業にとってのベストプラクティスを模索していくための道具です。

BIはあくまでも分析のための道具ですが、分析のためにはその道具に慣れ、使いこなす必要があります。それではBIを使いこなすとは具体的に何を指すのか、現場利用者(アナリスト)の立場で考えると大きく2つに分けられます。ひとつは分析思考を持つこと。もうひとつはシステム操作をマスターすることです。前者は経験に基づき、会社にとって数字のマイナスとなる部分またはプラスに変えられる部分を嗅ぎ分ける嗅覚のようなものを持ち、多角的に現状を捉えます。経営者はその数字を元に具体的な対策を進めていくわけですが、優秀なアナリストは分析と共にいくつかの対策案まで提示します。そして、後者のシステム操作をマスターするとは主に3つの操作のことを指します。

1. スライス・アンド・ダイス
通常、分析レポートには縦軸と横軸がそれぞれ一つ以上存在します。例えば、期間別予実対比がそれです。横軸には当月の他に前年同月や同年前月といった時間軸を置き、縦軸には勘定科目や部門別の売上などを配置します。ここでアナリストは多角的に数字を捉えるために軸の内容を入れ替えます。期間を当期の四半期別・月別にしたり、横軸をプロジェクト別や商圏別にするかもしれません。また、単純に縦軸と横軸を入れ替えるなど、まるでルービックキューブのように操作を行います。

2. ドリルダウン
スライス・アンド・ダイスによる分析の角度が決まると、問題視または改善が期待される数字は何かを把握するために詳細情報の取得に入ります。仮に部門別の売上を見て問題がないとしても、その部門で取り扱っている商品には、売れ筋があれば死に筋も存在します。その場合は商品企画の再検討が必要とされるでしょう。一方、商圏において特定地区で売上が低下しているのであれば、出店計画(小売業の場合)の見直しが入るかもしれません。このように集計された数字から細かい数字に落とし込んで行く分析をドリルダウンと言います。

3. ドリルスルー
概念としてはドリルダウンと似ているため混乱してしまうかもしれませんが、ドリルスルーではより詳細な情報(取引明細など)を取得することが可能となります。技術的な背景からスライス・アンド・ダイスおよびドリルダウンで使用するデータベースとドリルスルーで使用するデータベースは分けられていることが多々あります。その最大の理由はパフォーマンスにあります。小売業などのように取引(トランザクション)が無数に存在する業種では数字を集計するだけでも大変な負荷がかかり、同一データベースで分析まで行うと利用者(アナリスト)にストレス(業務の鈍化)を与えます。そこで分析に必要とされる情報を事前に集計しておくことで負荷を抑えるのですが、稀に取引明細や営業個人の数字にアクセスするケースがあります。この様に異なるデータベース間での連動した分析を可能とするのがドリルスルーです。

この操作や概念はBIツールであれば共通して言えることであり、これらを抑えておくことでほとんどの製品に対応することができます。細かな違いはあるかもしれませんが、BIを考える上で基本として抑えられておくことをお薦め致します。