位置情報と行動ターゲティング | Technolog.jp - ICTウェブマガジン

位置情報と行動ターゲティング

前回、オンライン広告における行動ターゲティングの可能性について書かせていただきましたが、最近、『=位置情報連動型広告』と捉えている方が少なくありません。これは、はじめて行動ターゲティングに携わるプランナーや営業担当者が陥りがちなパターンなのですが、似て非なるものです。

まず、位置情報を単なる広告配信手法と捉えた場合、多くの人は、思い込みでプランニングを行います。例えば、流通店であれば、その競合店に訪れたことがある、または今そこにいるユーザに広告を配信することが効果的と考えます。

もちろん、これもひとつの行動ターゲティングになりますので、間違いではありません。

しかし、従来のオンライン広告の考え方に縛られてしまい、ここからのPDCAとして、クリエイティブを改善する、CPC/CTRの良い媒体を模索する、位置情報の精度を追求するということに終始してしまいます。

ここでひとつ抜け落ちしていることは、行動を検証するということです。行動ターゲティングは、オフラインでユーザがどういう行動を取るかデータをもとに検証し、そこからマーケティングを行うことに大きな価値があります。

先程の流通店を例に取ると、競合店をターゲティングしたところ、思うようなパフォーマンスが得られず、位置情報の精度に問題があるのでは?広告の配信面に問題があるのではと考え、そこを追求しようとします。

そもそも競合店にいた人または今いる人は、すでに商品やサービスを購入しているかもしれません。競合店にロイヤリティを覚え、単なる広告にはなびかないかもしれません。そういったユーザにいくらクリエイティブを変えて訴求しても、位置情報の精度にこだわっても高い成果を挙げることはできないでしょう。

次の一手として行動ターゲティングにできることは、新たなオーディエンスにリーチすることです。検索やディスプレイ、ソーシャルメディアでもリーチできなかったユーザに、行動ターゲティングだからこそリーチできる可能性があります。

昔、米国のウォールマートで週末に紙おむつを買いに来るユーザは、一緒にビールを買うという有名な話がありましたが、一見、関連性のないものが密接に紐付いていることはよくあります。

例えば、自動車販売で行動ターゲティングを行う場合、産婦人科の訪問履歴からターゲティングを行うといった具合です。車の買い替え需要はライフステージの節目にありますので、子供が生まれたばかりの両親に訴求することで新たなユーザを獲得できるかもしれません。

位置情報を使うことは行動ターゲティングではありません。ユーザの行動からマーケティングを行うために位置情報を使うことが行動ターゲティングになります。

  • 本日の一冊

    市場・顧客の理解から売れ続ける仕組みづくりへとつなぐ。消費者情報処理の理論を軸に,様々な段階の消費者選択に焦点を当てながら多様な消費者の行動を整理し,理解するための基本理論を易しく解説。消費者行動分析をマーケティング戦略,ブランド戦略につなげるための枠組みも提示する待望のスタンダード。