地域活性化と情報通信技術 | Technolog.jp - ICTウェブマガジン

地域活性化と情報通信技術

先日、日経コンピュータ主催で開催されたIT Japan Award 2008において、松下電器産業やカシオ計算機など名立たる企業に交じって青物横丁商店街進行組合が準グランプリを受賞しました。

青物横丁は、東京都品川区にあり、京浜急行鉄道本線品川駅から普通(各駅停車)で3駅目に位置しています。もともと江戸時代に農民が青物を持ち寄って市場を開いたことからその名前が付けられたそうですが、今でも東京では珍しい下町のような雰囲気を残しています。正直なところ、こういった商店街はITに対する取り組みが企業に比べ遅れており、今回の受賞に関しては、個人的に驚きを覚えています。

導入したシステムは、「あおよこタッチャン」という携帯電話を利用したCRMシステムです。各商店には専用端末が置かれ、買物時に非接続型ICカード「FeliCa」搭載の携帯電話でタッチするとポイントが貯まり、初回利用時であれば、会員登録が表示され、2回目以降であれば、FeliCaチップの識別番号により来店回数を表示してくれます。

月額3,000円(初期費用30,000円)と低コストでの導入が可能で、店主は、「あおよこタッチャン」の専用管理画面(ウェブ)から条件(「過去1ヶ月に来店のないお客様」など)を指定し、会員の携帯電話へ特売品やクーポンの情報をメール配信できるため、企業並みのCRMが実現されます。会員数は3000人を超え、わずか3%だった折り込みチラシの閲読率に対し、携帯メールは17%と飛躍的な伸びを見せています。

これまでも「Suica」や「PASMO」といった電子マネーは導入してきましたが、今回のように顧客情報の収集からメール配信という能動的なアクションには繋げられず大型スーパーに客足を奪われていました。ポイントカードを採用しても登録用紙にはメールアドレスが記載されないなど上質なCRMには至らなかったそうです。

携帯電話という国民的なインフラを利用することで買物客へ親しみと便利さを提供し、地元の活性化を実現する。商店側にも特別な操作をさせることなく実現したCRMが受賞のポイントだったのではないでしょうか。こういった情報通信技術が日本全国に広まっていけば、より良い生活環境も実現されると思います。

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